睡眠障害とは
睡眠障害とは、睡眠について何かしら問題があり、それによって日常生活に支障をきたしている状態を指します。睡眠障害の種類としては、不眠症、過眠症、睡眠時随伴症、レストレスレッグス症候群や周期性四肢運動障害の睡眠関連運動障害、睡眠時無呼吸症候群等があります。
上記の睡眠障害の中で、不眠症の患者数が最も多くなっています。また、うつ病等心の病気に罹患している方は、不眠の症状を訴えることが多くあります。ここでは主に不眠症について説明していきます。
不眠症
不眠症とは
寝つきが悪い、眠りが浅い、途中で目が覚める、予定より早く目が覚めて起床時間まで眠れないなど、十分な睡眠がとれないことで日常生活に支障をきたしている状態を不眠症と言います。
ちなみに診断をつけるにあたって、睡眠時間が基準となることはありません。そのため、1日8時間以上眠っている方でも上記のような症状を訴えていれば不眠症と診断されることもあります。また1日3時間程度の睡眠であってもご自身が問題ないとされていれば、それに該当することはないです。なお不眠症は、大きく4つのタイプに分類されます。
入眠障害(入眠困難)
入眠障害とは
寝床に就いても寝つきが悪く、30分以上寝つけない状態を入眠障害と言います。ストレス、不安・緊張等心理的要因などが原因となって起きやすいと言われています。ただ眠ってしまえば、朝までぐっすり睡眠できます。なお、不眠症の中で最も多いタイプが入眠障害です。
中途覚醒
中途覚醒とは
寝つきはスムーズですが、就寝中に目が何度も覚めるようになる状態を中途覚醒と言います。中途覚醒は熟睡感が得られにくいので、日常生活に影響が出ることもあります。原因としては、加齢、睡眠時無呼吸症候群を指すSAS、ストレス、夜間のトイレ等が挙げられます。
熟眠障害
熟眠障害とは
睡眠時間はしっかり確保されているものの、熟睡ができていないと訴えている方のことを熟眠障害と言います。このタイプは、神経質とされる方や高齢者によくみられます。
早朝覚醒
早朝覚醒とは
起床予定時刻よりも2時間以上早く目が覚めてしまい、その後は起きる時間まで眠れない状態が続くことを早朝覚醒と言います。うつ病・うつ状態の患者様や高齢者によく見受けられます。
治療について
不眠症を治療する場合、2つの治療があります。薬物を用いる場合(薬物療法)と日頃の生活習慣を見直す方法です。治療にあたっては、しっかりと不眠の原因を特定し、それを取り除くようにします。
患者様の症状等から医師が必要と判断した際は、睡眠薬を使用していきます。ほかには、抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬が選択されることもあります。
また夕方の時間帯あたりに適度の運動をする、主に朝の時間帯に太陽の光を浴びる、リラックスできる時間をつくる、趣味などで上手く気分転換を図る、寝室を快適な状態にする等、生活習慣や生活環境を見直すことで、不眠症の改善に繋がります。